遺産の分割前における預貯金債権の行使

2019年7月1日に施行された民法909条2により「預貯金の払い戻し制度」が整備されました。
法律が改正される前において、遺産分割協議が終了するまで相続人単独では預貯金債権の払い戻しができませんでした。

しかし、民法が改正されたことにより、生活費や葬儀費用の支払等必要がある場合、(相続開始時の預貯金債権の額)の3分の1×共同相続人の法定相続分を上限に、単独で払い戻しを受けることが可能になりました。
手続きは各銀行で異なりますが、葬儀費用の領収書・亡くなった方と相続人の関係が分かる戸籍・共同相続人の1名以上の署名・押印などが求められます。
前もって、手続きに際してどの書類が必要かよく調査する必要があります。

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自筆証書遺言保管制度

法務局における遺言書の保管等に関する法律が、令和2年(2020年)7月10日に施行されます。

今まで、「自筆証書遺言」に係る遺言書は自宅で保管されることがほとんどでした。そのため、遺言書の紛失・亡失、又は相続人による遺言書の廃棄、隠匿、改ざんが行われるおそれがありました。このような問題に対応するため法務局で遺言書を保管する制度が始まります。

「自筆証書遺言」は、今ままで通りご自分でペンを持って遺言書を書く必要が有りますが、財産目録はパソコンで作成可能です。通帳のコピーや登記事項証明書をコピーして添付することもできます。しかし、法務局では遺言の中身まで審査してくれませんので、法律的に有効な自筆証書遺言をキチンと作成することが前提となります。ちなみに、遺言書の保管申請にあたり、「3900円」の手数料を法務局に収める必要が有ります。

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死亡届出の届出資格者

 

人が亡くなった場合、死亡届を出します。この死亡の事実が、戸籍に記載されることによって相続関係が公証されます。戸籍法では、死亡者と密接な関係を有する者を届出義務者又は届出をすることができるものとして定めています。

現在、届出人の資格としては様々あり、任意後見人は届出人として定めてありますが、任意後見受任者は死亡届の届出人としては定めがありません。

このことについて、任意後見受任者であるあいだに委任者が亡くなった場合、市役所の担当の方とどのように対応すれば良いか、ちょうど今日話し合っていました。

そのことが、今日、法務省のホームページを見ると、ちょうど改正案として上がっているではありませんか!なんとタイムリー!

改正案では、任意後見受任者を死亡届出の資格者として定め、登記簿を添付させることとなっていました。

疑問に思っていたことが、法律の改正で現実になろうとしています。

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年末年始帰省

この時期になると、実家に戻り家族と時間を過ごす方が多いかと思います。

実家の親も年を重ねてきて、財産をどうしようかと考えているかもしれません。
なかなか、そういう話を切り出すのも勇気がいるかもしれませんが、家族皆が幸せでいられるよう、相続問題について話しあうのはいかがでしょうか。

特に田舎では、空き家が目立っています。
そうならないように、よく話し合っておきたいものです。

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任意後見制度

任意後見制度は後見制度の中でも、あらかじめ自分が信頼して決めた人に財産管理や病院等における入院手続き、医療契約などを任せることができるメニューです。

自分が信頼できる人にお願いできるとともに、任意後見監督人選任の申し立てにおいても、申し立て日より一月ほどで審判がおります。

実務においても短期間で手続きができ、使いやすいメニューだと実感しています。

まずは元気なうちに、信頼できる人と公証役場で任意後見契約を結びましょう!

医師の診断書が必要な遺言

民法963条に「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。」とあります。

遺言者が高齢であったり、少し認知症状が出ている場合など、遺言者の遺言能力に不安がある場合には医師の診断書を添付しておくと安心です。
医師の専門は精神科でなければならないというわけではありませんが、精神科の認知症状をいつも見ている医師の診断書であれば安心度は増すでしょう。
公証役場でも公証人が遺言者の遺言能力に疑いを持つときは、医師の診断書が求められ場合があります。
民法973条には、成年被後見人でも事理を弁識する能力が一時的に回復した時において、医師2人以上の立会いがあれば遺言を作成することができる旨が規定してあります。
ですが、このような手続きになる前の元気なうちに遺言を作成しておくことに越したことはありません。

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死亡の危急に迫った者の遺言

民法976条には、遺言の特別の方式として「死亡の危急に迫った者の遺言」の要件が記してあります。
①証人3人以上の立ち会いのもと、証人の1人に対して遺言の趣旨を口授すること。
その口授を受けたものが、内容を筆記し遺言者及び他の証人に読み聞かせるか、閲覧させること。
各証人が署名し印を押すこと。
②作成した遺言は、遺言の日から20日以内に証人の1人か、利害関係人から家庭裁判所の確認を得なければ、効力が生じない。
と、このような要件が必要になっており、なかなかハードルが高いように思えます。

ぜひ、元気なうちに遺言書を作成することをお勧めします!

預貯金も遺産分割の対象

昨日の最高裁判例

昨日の最高裁判例
平成27年(許)第11号
遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
平成28年12月19日大法廷決定によって、「共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定額貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることなく、遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。」との決定が示されました。

実は驚かれるかもしれませんが、預貯金は今までは遺産分割協議の範囲の対象外だったのです。
しかし、多くの遺産分割協議においては、相続人の合意のもと、相続財産に含めて実務は行われています。
今回の判例変更によって、遺産分割協議が行われていない預貯金については、相続人が単独で自分の分だけ引き下ろすことができなくなると思われます。

これから、銀行窓口での対応がどう変更されるのか注意深く見守っていく必要があります。
それとともに、今までよりいっそう遺産分割協議の重みが増してくるでしょう。

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戸籍と自分

みなさん、一度は戸籍を目にしたことがおありかと思います。

書類を提出するときに、一緒に戸籍を提出するように求められたことでしょう。

戸籍には、人の出生から婚姻や離婚、死亡までとその方の一生がどんなものであるのかあったのかが記されています。

つまり戸籍には自分の足跡が載っているのです。生きた証が記されています。

戸籍を手にする機会があれば、じっくり眺めてみましょう。
きっと色々な気持ちが湧いてくるはずです。

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自己責任

病気になると、早めに検査や治療をしていればここまで酷くはならなかった、ということがありませんか?
場合によっては、発見が遅かったために命を落とすということも十分にあり得ます。

老後のための老い支度も同じです。
遺言や成年後見制度、財産管理委任契約や死後事務委任契約など、作成しておけば衝撃をある程度緩和できますが、何も対策を打っていなければ全て自分に降りかかってきます。

内閣府の調査では2015年時点で、65歳以上の高齢者人口が国民全体の26%です。
これからますますこの割合が上がってくるでしょう。
老後を安心して生活するためにも、自分の身は自分で守りたいものです。

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